中学受験わかばナビTOP中学入試の展望 >  2011年度中学入試

   中学入試の展望        【中学受験わかばナビ】


  どうなる?どうする?中学入試    2011年度入試

 

 

 2011年度入試 私立の改革により選択の幅が拡大

改革を表す5つのキーワード

ここ最近の中学入試での変化を表す主なキーワードとして、次の5つを挙げることができます。

1、 新たな中学の開校

2、 共学化

3、 大学付属校の参入、大学提携校の拡大

4、 午後入試の増加

5、 高校からの募集停止

キーワードごとに見ていきましょう。

 

千葉、埼玉で私立3校が開校

2011年度入試では東京・神奈川の私立の開校予定はなく、埼玉の開智未来、千葉の二松学舎大学附属柏、千葉明徳の3校が開校する予定です。
注目を集めそうなのは埼玉の東岩槻に誕生する開智未来です。さいたま市にある開智の教育内容を踏まえた理想の教育をめざす系列校としてスタートします。1クラス36名3クラス108名の募集を予定。昨春、「先端クラス」がスタートし、人気の高い開智。開智未来の試験会場としても使用される予定のため、同校を目指す受験生の多くが併願することが予想されます。東京から通うにはちょっと離れている印象がありますが、さいたま新都心駅のスーパーアリーナや大宮ソニックも試験会場とする予定なので、「お試し受験」生も集めそうです。また、群馬や栃木からの受験も考えられます。

二松学舎大学附属柏は、二松学舎大学附属沼南高校の附属校として名称を変更して開校します。系列大学への推薦枠もありますが、今春の大学入試で早稲田、上智、東京理科大等にも合格を出し、他大学進学にも力を入れています。

公立中高一貫校の開校はなく、今後は神奈川での開校の動きが注目されます。

今春はここ数年の間では突出して多く、首都圏で開校したのは私立4校、公立4校の8校でした。

具体的には、早稲田大学高等学院、中央大学附属、成立学園の都内3校と埼玉にある昌平の私立4校。公立は富士、大泉、南多摩、三鷹の都立4校です。

特に注目されたのは都内の大学附属校2校です。
早稲田大学高等学院は、この不況下で学費の高さが影響してか実倍率2.9倍にとどまりました。早稲田大学直系の附属校は都内で唯一であるため、来春は反動で増える可能性もあり注意が必要です。

中央大学附属は2月4日の第2回では実倍率が8倍を超える大激戦でしたが、2月1日の第1回では男女とも実倍率2.0倍だったため、こちらも早稲田大高等学院同様、反動があるかもしれません。

都立では当初の計画から予定されていた10校が出揃いましたが、新校では南多摩中等教育学校が1529人、大泉高校附属が1049人、三鷹中等教育が929人、富士高校附属が451人の受験生を集めています。倍率が10倍前後まで跳ね上がった南多摩、大泉では受験生に敬遠されて少し倍率が下がる可能性もありますが、難易度は下がりにくいでしょう。

 

共学化する都内私立2校、神奈川私立1校

既に募集している中学校でも、2011年度から男子校・女子校から共学校に変わるところが3校あります。
女子校の貞静学園(文京区)、横浜国際女学院翠陵から校名も変更する横浜翠陵(横浜市緑区)、男子校の目黒学院(目黒区)です。
今春から共学化した私立2校では、郁文館(文京区)が男子校から共学になり、東横学園から校名変更した東京都市大学等々力(世田谷区)も共学部を開校しました。東京都市大学等々力では特選と特進の2コースに分け、様々な学力向上プログラムを用意したことも広く支持され、共学部だけでのべ971人が受験しました。若干、全体的には緩和した傾向が見られた今春入試のなかで人気の上昇ぶりは一際、目立っていました。同校では来春から女子部の募集を停止、共学部のみの募集となります。

2008年度の明治大学付属明治、日本工業大学駒場、鶴見大学附属、2007年度の法政大学、広尾学園、宝仙理数インター、上野学園など次々と共学校は増えています。

共学校から男子校・女子校に変わるケースはないため、今後も共学校は増える可能性があります。近年、中学入試での共学校人気が指摘されていますが、共学校自体が増加していることも影響しています。

元々、男子の募集数が足りない首都圏の中学受験状況にあって、新たな中学が開校されたり共学化されたりすることで受験生の選択の幅は広がります。様々な中学校がありますが、通学圏内で「6年間行かせても良い」と思えて合格可能生のある学校は限られてしまいます。選ぶ側からみれば「学校数は足りない」という中学受験を経験された保護者の意見もあります。
数があれば良いというものでもありませんし、吟味しなければならない手間はかかりますが、選択肢が増えること自体は受験生にとって悪いことではないでしょう。

 

大学附属校の増加、提携校の拡大

来春、開校予定の二松学舎大学附属柏、今春開校した早稲田大学高等学院中等部、中央大学附属はいずれも大学附属校です。附属高校を持ちながら、中学募集を開始しています。

今春、横浜山手女子から校名を変更した中央大学横浜山手、昨春に東横学園から校名変更し今春は新設された共学部が高人気だった東京都市大学等々力はこれまでも中学募集をしていましたが、校名変更にともない大学附属校としての特色も強めています。

大学附属でも、系列大学への進学中心型と他大学進学中心型と2つのタイプに分かれています。東京都市大学等々力は他大学進学中心型をアピールし、保護者の支持を得ました。中央大学横浜山手は系列大学に進学できるだけの学力をつけることを目標にしながら、国公立や海外も含めた難関大学合格も目指しています。

一方、早稲田大学高等学院は系列大学進学が原則です。 なお、中央大学横浜山手では2011年度に中央大学附属校化、 2012年に共学化し、2013年からはセンター北駅近くに移転する予定です。 法人が東洋大学に変わる京北は赤羽台に移転、さらに4年後は白山の新校舎に再移転の予定です。 附属校ばかりではありません。既存の中学校・高等学校と提携するケースもここ数年、急激に増えています。

青山学院大学との教育提携を結んだ横須賀学院、明治学院大学との教育連携を結んだ玉川聖学院、捜真女学校、横浜英和女学院の3校など、ここ2年で大学と連携をする中高一貫校が増えています。公立でも神奈川県立光陵高校と横浜国立大学横浜中学校との連携も系列の国立大学への内部進学も視野に入れて、進めていくそうです。

このような大学との連携では、今のところ、高校と大学との教育提携が中心ですが、内部推薦枠の拡大が期待されている点も見逃せません。その結果として、今後も受験生を増やす可能性があります。

首都圏ではありませんが、2009年度に早稲田大学が大阪の私立・摂陵中と提携した早稲田摂陵、2010年度には大学創立者の大隈重信ゆかりの佐賀県で開校した早稲田佐賀の2校はともに早稲田大学の系属校です。

2011年度には福岡市の男子校、泰星中が上智福岡に校名変更し、翌年には共学化の予定です。上智大学への特別推薦枠も予定されていますが、上智の名称を冠した附属校は全国でも初めてのことです。

 

 午後入試の占める割合が増え、短期決戦化に加速

中学入試では千葉・埼玉が1月中に入試を行う一方、2月1日に東京・神奈川の入試が始まります。
かつては2月1日から2月7日くらいまで連日、受験するのもそう珍しくはありませんでした。しかし、近年は上位校ばかりをチャレンジする強気の選択ではなく、早めに合格を確保して受験校を絞り込むケースが増えてきました。特に2月4日以降に行われる上位校の入試では定員も少なく倍率が跳ね上るため、2月3日までにすべり止め校を確保する併願作戦が定着してきました。

短期決戦化が強まっている要因のひとつは午後入試です。 午前中に受験した後、午後から受験できる午後入試は、一日2回も受験するのは小学生でなくともハードな気がしますが、すっかり定着しています。
「早く合格を確保しておきたい」受験生やその保護者の声に応えるための午後入試ですから、2月1日か2日に実施するのがほとんどです。年々、実施校は増えていますし、午後入試を導入した結果、受験生を増やしているところもあります。今春入試でも、聖学院(特待選抜)、東京女学館(国際学級)、山手学院、聖セシリア女子などで新設され、多くの応募者を集めました。また、1月入試でも埼玉では午後入試が一部で導入され、定着しつつあります。

1月入試を実施している千葉・埼玉からは遠いので、神奈川の受験生にとっては1月入試が「すべり止め校」確保というより「お試し」受験の色合いが濃くなります。寮のある地方の中学が東京会場で行う入試に挑む多くの受験生が神奈川や東京の西側に多いのも、そのためです。

しかし、「2月3日までにすべり止め校の合格を確保したい」心理に変わりはありませんから、午後入試がクローズアップされてきます。
今春、全体的にはほぼ横ばいだった首都圏の中学受験状況にありながら、神奈川では共学校と女子校で受験生を増やしたところがありました。山手学院、横浜女学院、聖セシリア女子、鶴見大学附属、横須賀学院、横浜富士見丘学園など、いずれも午後入試の受験生増が後押ししています。

来春からは日本大学(日吉)は2日、関東学院と湘南学園は1日に午後入試を導入。関東学院は関内会場で受験もできます。 また、神奈川に近く、昨春、駅前会場での午後入試の導入で受験生を大幅に増やした桜美林でも午後日程で多摩センター会場入試を開始します。

 

 高校からの募集停止により、中学募集枠は拡大

私立も公立も中学からの募集を開始すると、中学で募集する定員と同数だけ高校の募集人数が減ります。
開校4年目には、内部進学生の人数分だけ更に高校募集数が減少します。たとえば、8クラス募集している高校が中学から3クラス募集を始めると高校募集は5クラスに減り、3年後には2クラス募集にまで縮小されてしまいます。

募集定員が縮小されると高校入試では受験生の敬遠傾向がはたらきやすく入試規模が小さくなっていくことも少なくありません。
大学合格実績の高い私立の多くは高校から募集を行っていないこともあり、中等教育学校をはじめとした中学募集のみを行っている学校の方が中学受験では概ね人気があります。
加えて、高校では共学校人気が高い傾向があるため、男子校・女子校を中心に高校募集を停止する動きが近年は目立って増えてきました。

来春入試からは海城、富士見、東京純心女子、神奈川学園、洗足学園が高校からの募集を停止します。元々、高校からの募集数は1クラス程度の募集であるため、中学の定員は大きく増えませんが、海城だけが85名を高校募集していました。しかし、同校はこれまでも中学募集定員を調整してきたため、今回の募集停止によって増える中学募集数は10名程度になるようです。

海城の募集停止により、高校募集をしている上位校でも、今後さらに高校からの募集停止や縮小が加速するかもしれません。
今春、都立高校入試では全日制一般入試で12,457人もの不合格者を出しました。中3人口の増加、不安定な経済状況への不安感や公立高校学費無償化政策の影響で公立人気がさらに高まった結果ですが、中高一貫校の増加による募集定員の大幅減少も都立上位校人気の高騰に拍車をかけています。

神奈川でも公立不合格者数は9,284人と1万人に迫る勢いでした。埼玉では入試制度の変化によって6,245人の不合格者数にとどまりましたが、約2,000人が公立の2回ある入試のうち、後期の受験を断念したと予測されています。

高校入試では都県によって事情が異なりますが、公立中学校での成績評価が合否に結びつきやすいところもあります。今春は公立入試状況の厳しさから合格を優先させ、受験生が志望する高校よりもさらに何ランクも下の高校しか受験できなかった例もあったようです。

来年度以降の高校入試では中3人口が減るため、今春入試ほど厳しい状況ではありませんが、今後も不況が続くと首都圏の人口は増加する可能性があります。少子化傾向は続きますが、首都圏に関しては例外、といった予測もあり、高校入試状況は選択肢がかなり絞られる状況が続くかもしれません。

また、今の小学生が高校進学する頃には募集を停止している私立上位校はさらに増えていることも十分考えられます。どんなに中学校での成績が良くても募集をしていない高校に入学することはできません。

私立は学費が高い、というのも事実ですが、奨学生制度や特待生制度も増えています。今後も私立での経済的負担の軽減をはかる動きは続いていくことでしょう。

 

 横浜、川崎で初の市立中高一貫校

東京では当初の計画を進めた結果、都立中高一貫校が出揃いました。今後は既に開校している11校の進路も含めた状況を調査・分析した上で、新たな計画に着手していくことになるでしょう。

現小5が中学に進学する年に当たる2012年度には、横浜市立南が中等教育学校として開校します。同じ年に、千葉県立中等教育学校が1校、開校される予定です。川崎市立川崎では現小3が中学に進学する2014年度を目標に高校併設型の中高一貫校を設置します。

私立では、八王子が2012年度から中学の開校を検討しています。他の私立高校でも中学開校の可能性があります。大学附属校ばかりでなく、大学との提携もさらに増えて行くかもしれません。引き続き、今後の動向が注目されます。

一方、都立最初の中高一貫校、白鴎の一期生が来年卒業、翌年には小石川、桜修館、両国、区立九段の一期生も卒業します。その進路実績や大学合格結果が公立中高一貫校の成果について、ひとつの目安になることはいうまでもありません。結果次第によっては、学校への評価や私立との併願率をも左右することになるでしょう。また、成果が高ければ公立中高一貫校設置計画が今後、更に増えていくかもしれません。

 

 

 

 

 2011年(平成23年)以降のおもな変更点(予定)

 東京都 
・青山学院   約20名募集数を削減、1クラス定員を32名にし、男女140名募集から120名募集に。

・桜美林   2回午後2/2午後2科新設、淵野辺駅キャンパスと多摩アカデミーヒルズ(多摩センター駅前)会場でも受験可能に。

・海城    高校募集を停止し、中学募集を10名増やす予定。

・京北    東洋大学と法人合併、赤羽台に移転、4年後に白山新校舎へ再移転予定。

・東京都市大学等々力   女子部の募集を停止

・貞静学園   共学とする予定。

・宝仙学園   女子部の募集を停止。

・目黒学院   共学とする予定。

 

 神奈川県

・関東学院    2/1の午後入試を新設。関内会場でも受験可能に。

・湘南学園    2/1の午後入試を新設。

・日本大学(日吉)    2/2の午後2科入試を新設。

・フェリス女学院     試験時間と配点を変更。理科・社会より国語・算数を重視。

・横浜国際女学院翠陵    校名を「横浜翠陵」に変更し、共学にする予定。

・中央大学横浜山手    横浜山手女学園と中央大学が10月に法人合併。2012年より共学化、2013年目標にセンター北に移転を予定。   

 

 千葉

・千葉明徳   中高一貫校を開校(男女120名募集)、4回入試を行う予定。

・二松学舎大学附属沼南   中学校を開校(男女102名募集)予定。校名を「二松学舎大学附属柏中学校」とする予定。

 

 埼玉県

・ 浦和実業学園   1/10の午前と午後に特待入試を新設。午前は4科、午後は2科の標準問題と国算のうち1科応用問題を選択。

・大妻嵐山   セレクト入試(第一志望者対象)を1/10に設定。また、1/14に午後入試を実施し2月の入試は廃止する予定。

・開智未来   中高一貫校を開校予定。旧県立北川辺高校の校地に開校する予定。108名(36名×4学級)募集。新都心アリーナ、大宮ソニック、開智など別会場入試も予定。

・栄東    募集数を120→240名(30名×8学級)とする予定。

・ 埼玉平成    1/10に午後入試を新設。午前・午後とも県内3会場で実施。

 

 群馬県

・桐生第一   中学校を開校(男女30名募集)予定。校名は「桐生大学附属中学校」とする予定。

 

 

 2012年(平成23年)以降

 東京都 
・立正    2014年西馬込に移転予定。

・聖心女子学院    2015年中学募集停止。

・八王子   2013年に中学開校を検討中。

 

 神奈川県

・横浜市立南    2013年に中等教育学校を開校予定。

・川崎市立川崎   2015年目標に中高一貫校を開校。

 

 茨城県

・県立日立第一   2013年に併設型中高一貫校を開校予定。

・県立総和    2014年に中等教育学校を開校予定。

 

 栃木県

・県立矢板東   2013年に併設型中高一貫校を開校予定。

 

 

 高校入試  2011年度入試 どうなる?どうする?高校入試   

情報協力:声の教育社

 

中学受験 過去問題集
中学受験 過去問題集

 

中学受験わかばナビTOP中学入試の展望 >  2011年度中学入試