日時:H22年10月14日(木)10:00〜 晴れ
参加者数:約1,000人
配布物:学校案内、生徒募集要項、海城の教育
内容
■10:00〜10:15
『挨拶』 校長 水谷弘先生
・本校は明治24年に海軍予備校として創立された。
・世界が統率力のあるリーダーを求めている。リーダーの資質とは、情熱があること、コミュニケーション力に長けていること、決断力があること、イニシアチブをとることができること、そして特に日本に必要なのは多文化共生力である。
・海城での6年間は子ども達にとって思春期の真っただ中であり、心身の変化が大きい。人生で最も成長する6年間を預かるということは怖さもあるが、付き合えてよかったと思うこともある。
・体験学習のプログラムを取り入れ、共生する力を育てていく。
・帰国生を30名受け入れることとし、さらに発展させていきたいと思っている。
・来年度から高校入試を停止した。
・世界に羽ばたくリーダー、国際社会を担う人材の育成を目指している。
■10:15〜10:30
『生徒をどのように育てていきたいか』 ホンマ先生
・本校は『新しい紳士』を育てたいと思っている。新しい紳士について生徒に聞かれた場合は『イケてる男』と伝えている。他者から見て魅力的でイケてる人間を世に出したい。そのため、教師は不変的な魅力はこれ、今の時代にマッチしているのはこれ、と言葉にしてあげることが大事だと考えている。
・高校2年から文科系と理科系に分かれるため、高校1年はコースを決める時期である。教師は決めるための材料や場を提供して選ぶ手伝いをしている。
・ある企業の人事部の方に講演してもらった時、企業側と学生側のミスマッチが大きくなっていると言われた。例えば就職試験で集団面接をした場合、企業側は他者への気配りや配慮を見ているのに対し、学生は単なる自己主張や勝ったとか負けたということに重きを置くという。良いところ探しができる人、日常的に自分や自分以外の人の良いところを口に出して言えることが、このような面接にも活きてくる。
・本校では、良いところを言葉で伝えあう場、承認し合える場を定期的に設けている。言われることにより、自信の拠り所にもなり、他者を理解することで自分自身も理解できるようになる。これは社会のニーズに合っているとも言える。
・本校が大事にしたい生徒とは、他者に対しても自分に対しても承認の言葉が伝えられる子どもである。そのような子どもを育てようと思っている。
■10:30〜10:55
『学習面について』 林先生
・中高は基礎学力を養成する段階である。教科書の内容を理解すれば十分という時代ではない。今の世の中は学歴だけでは勝負できないため、真の学力が問われている。
・高校募集を停止したため、中高一貫教育が実現する。これにより、中高カリキュラムの整合性が増す。先取り教育をするのではなく、理解を十分にして進めていく。
・中学1年から高校3年まで成績別によるクラス編成は一切ない。
・高校受験がないため、中学1年から高校1年までは幅広くゆったりと勉強する。芸術では、本物に触れさせ、造詣の深い教員が教えている。また、理科は実験を重視している。社会では中学1年から中学3年まで毎学期レポートを書いてもらう。自分が興味を持ったテーマで、文献を調べるだけでなく取材調査をしてレポートを作成する。自分独自の情報を外に発信できる人材の育成を目指している。このような見聞を広げていくことは大学でするのではなく、中高でもできることである。次のステージを考えながら教育している。
・高校2年から文科コースと理科コースに分かれ、どちらかを自由に選択する。コースのクラス数は決まっておらず、年によって子どもの希望が変化するのでクラス数も変わる。成績によって決めるわけではない。
・高校3年になっても週34時間の必修授業がある学校は珍しい。他の学校は17〜21時間程度。授業料をもらっているので、授業の部分には責任を持ち、進路に関しては生徒の背中を押している。
・日頃の授業を大切にしてほしいと考えているため、1日8時間は睡眠するよう促している。宿題は毎日出し、中1や中2には1時間から1時間半の勉強をコンスタントにするよう指導している。子ども達の学力を丁寧に育てている。
・特定の大学入試に対応した授業はないが、放課後に1講座80分の講習を行っている。また、夏休みには1回300円の講座を60弱開き、1人当たり4.26講座受講している。
・入試の結果は高い数値をあげているが、先取り教育をするのではなく、全体の生徒の力を押し上げている結果である。
・最近は、医学部を希望する生徒が理科コースの4分の1〜5分の1程度と増えてきている。
・子どもの将来を考え授業を進めている。今まで日本の教育になかったカリキュラムも作っていく。
■10:55〜11:10
『部活動について』
●運動部:ホンマ先生
・進学校だが、施設と指導者が充実している。
・このロケーションにしては破格に広い土のグランドがある。
・体育館はオフィシャルな試合ができる広さ。バスケ部、バレー部、バトミントン部が使用している。
・柔剣道場は冷暖房完備で、弓道部も学内で練習することができる。
・中学から始めることが前提なので、うまい子どもを優遇する部活はない。一生懸命な子どもを大事にするため、経験がなくても二の足を踏む必要はない。
●文化部:オザワ先生
・理科の部活が充実しており、それぞれの分野で分かれている。
・多くの運動部が中高一緒に活動する機会はないが、文化部は中高一緒に活動する。先輩から後輩に楽しみが伝わるということが文化部のよい所である。
・高校になると文化部は更に増える。また、自分のやりたいことが既存のクラブにヒットしない場合は、条件はあるが、同好会という形でやることもできる。
■11:10〜11:20
『入試に関して』 オノギ先生
・国語、算数、社会、理科の順番に試験を行う。
・一般入試は例年と変わらない。ただ、募集が5人ずつ増えて、1回目145人、2回目145人とした。
・入試問題について
国語:長文読解が2問出題される。物語や随筆からはクラスメイトの気持ちを汲み取れるかをみたいので、等身大の人物が出てくるものが多い。気持ちを読み取ってほしい。論説や説明文からは、内容を本文に即して説明させる問題で、記述式の問いがあるが、単純な抜き出しではない。
算数:本校では数学的思考力を育てることを大切にしている。解答は結果のみ書くもので、途中式や考え方は問わないため、計算ミスをしないように。また、何々算で解けるという単純なものでなく、すぐにはわからないようにしてある。粘り強く解いてほしい。
社会:とりわけ特徴的と言える。歴史、地理、公民の3分野を融合した問題で、150字から200字の論述問題がある。きちんと読めばわかる問題。また、設問も長いものがあるのでよく読むこと。過去問題を研究してほしい。
理科:物理、化学、生物、地学の4分野から満遍なく均等に出題する。習った知識を組み合わせて解く問題で、考えればわかる。なぜそのようになるかを頭で考えるだけでなく、他の人が読んでもわかるように書き出す練習をした方がよい。理由を問う問題が結構ある。
・2月1日(1回目)も3日(2回目)も出題傾向は同じであるため、勉強方法は同じ。過去問題は1回目と2回目の両方をやった方がよい。
・対策は市販の問題集でもよいが、実際のものを見たい場合は事務室にて1部500円で販売している。
・過去3年の合格最低点は、だいたい6割程度の点数である。
■お知らせ
前方にいる広報委員が個別に質問を受け付ける。
考査中のため、3号館以外の校舎への立ち入りは禁止。
☆備考
スリッパは必要ありません。
比較的軽装な方が多かったです。
説明会会場の体育館に入る前に資料が渡されます。
説明会に参加するためには事前に電話での予約が必要ですが、特に確認されることはありませんでした。
帰国生の願書が必要な場合は別途配布するとのことでした。
☆所感
事務室で学校発行の過去問題(500円)を販売しているということで、説明会終了後は長蛇の列になっていました。
個別質問は会場前方で広報委員の先生が受け付け、多くの保護者が並んでいました。
3号館(スタディホール)にて5分程度の学校紹介DVDが繰り返し流れていました。また、生徒の論文集やレポートも置いてあるので、熱心に読んでいる方が目立ちました。
女性用のトイレはかなり並ぶので、余裕を持って行かれた方がよいと思います。
どの先生もゆっくり話すので、説明は聞きやすかったです。
資料の中に考査に関するQ&Aが掲載されているためか、試験に関する詳しい説明はありませんでした。
考査中のため、校舎への立ち入りは禁止で、生徒の様子を見ることはできませんでした。
前方が空いているにもかかわらず、後から来た保護者は後方のひな壇に座っていました。少し聞こえ辛い場所もあるということで、何度か前方に移動するよう指示がありましたが、前方はかなり空いたままでした。遅れてきた人のために、説明会が始まってからも椅子を出す音が耳障りだったので、もっと積極的に前方の席に移動させてもよいのではないかと思いました。
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