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中学受験とは


 ・なぜ中学受験をするのか

 ・私立・国立・公立中学校の違い

 ・私立中学校について

 ・私立中学校のグループわけ

 ・入試について

 ・塾・教室について

なぜ中学受験をするのか

なぜ多くのご家庭が中学受験を考えるのでしょうか。
以下の理由が考えられます。

1.私立中学校は学校独自の学習カリキュラムがあり、公立とは違う教育を受けることができる。

2.大学進学を見据えた中学校・高校生活を送ることができる。

3.独自の教育理念・宗教教育などがあり学業以外の教育も期待受けることが出来る。

4.高校時で募集を行わない私立校が減ってきている。

5.地域公立中学校を不安に思う。

などがあげられます。
なかでも 大学進学を見据えた中学校・高校生活に魅力を感じて中学受験をされるご家庭が増えています。
私立校の大きな特長は、学校独自に教育目標や理念に沿ったカリキュラムを組むことができ、また中高の6年間をひとくくりで考えたカリキュラムの編成が大きな魅力と言えるでしょう。

ではどのくらいの児童が中学校受験をするのでしょうか。
首都圏の小学6年生人口は約30万人、そのうち中学受験をする児童は約50,000人、受験率にして約15%の児童が中学受験をしている計算になります。上記の数字に最近増えている公立中・高一貫校受験者は含まれていません。 私立中受験は毎年同じような水準で推移していますが、最近は公立の中・高一貫校が増えており、中学受験に拍車をかけています。公立の中・高一貫校は今後も増えていく予定で、今までは中学受験を考えなかったご家庭でも、公立中・高一貫校の開校で中学受験を身近なものと捉えて、中学受験を視野に入れる家庭も増えていくと予想されます。
10年前は、小学6年生人口が約30万人と現在とはあまり変わらないものの、中校受験者数は約40,000人、受験率約13%でしたので、この10年間での中学受験人気が高まり、それは数字にも表れています。 ただし、首都圏の中学受験人気のピークは過ぎたとの見方をする人もいます。
関西圏では該当年齢児童が毎年約19万人で推移していますが、受験人口は約19,000人で受験率ですと約10%となっています。こちらも一時のピークは過ぎ、景気悪化の影響を受けて微減傾向にあります。

費用面ですが、H18年度の文部科学省の調査ではこのような統計が発表されています。
『学校種別の学習費総額及び構成比』
によると 中学校は公立47万2千円、私立126万9千円 公立と私立の差は中学校では2.7倍 学習費の構成は、学校教育費、学校給食費、学校外活動費で構成されています。 その他の諸々の金額を考えると、私立中は公立中の約3倍近くの費用が必要といえるでしょう。 逆の言い方をすると、それだけの費用がかかっても、私立中学校に通わせたいと思うご家庭が首都圏では約5万人以上あるということになります。 以上の数字を見るだけでも、私立中学校の魅力はお金にかえることができないものがあると言えるかもしれません。

 

私立・国立・公立中学校の違い

私立・国立・公立中学校の違いはどこにあるのでしょうか。

◆私立中学校
私立中学校は、建学の精神や、教育の精神に基づいた独自の教育が大きな特長となっています。
学業を重視する学校もあれば、人間教育を重視する学校、英語などの専門分野に力を入れている学校、個性を重視する学校など、バリエーションに富んでいます。 お子さんにあった中学校を見つけることできます。
「校風」・「教育の独自性」・「併設高校からの大学進学率」・「宗教教育」などが私立中学校の特徴としてあげられます。 私立中学校に入学するには入試を受けて合格する必要があります。

◆国立中学校
国立中学校は、小学校と同じように「教育実習の場」、「教育研究の場」として存在する学校です。 国立大学の附属校としての使命を持ち、その学校ごとにカリキュラムを組んだりしていますが、基本的には受験指導等の先取り教育は行っていません。
教師陣の質が高いことで内容の良い授業を受けられると評判高いようです。
学費は私立中学校に比べれば非常に安く、約20万円〜30万円程度です。 附属高校を併設していない国立中学校や、進学の枠が狭くなる中学校も多く、高校受験を意識した中学校生活をおくらなければいけません。
国立中学校に入学するには入試を受けて合格する必要があります。学校によっては抽選もあります。

◆公立中学校
基本的に授業料はかかりません。授業料は必要ありません。トータルの学習費なども私立中、国立中に比べれば格段と安く、経済的負担の軽さは魅力です。
公立中学校では地域に根付いた教育を受けることができます。高校に進学するときは高校受験を行わなければなりませんので、中学3年生の時は受験勉強を行います。 学区域に住んでいれば入学できます。

◆公立中高一貫校
2005年から東京での開校が始まり、近隣県でも毎年増えています。独自のカリキュラムを組む学校もあり、6年間の学習を通して大学進学を意識した学習を行っている一貫校も多くあります。 年間必要諸経費は約15万円〜30万円くらいの学校が多いようです。 今後さらに全国的に広まることが予想され、人気が高まっています。
学校によって様々ですが、適性検査、面接、抽選などの選考考査等があります。

 

○東京都の中学校の割合 全中学校数は約810校あり、私立中は約180校(22%)、国立中は6校(0.7%)、公立中は約630校(約77%)あります。
生徒数で見ると、都内中学校の全生徒数は約310,000人、うち、私立中は約82,000人(26%)、国立中は約2,800人(1%)、公立中は約225,000人(72%)となっています。 これが高校になると 私立高校数約230校(約54%)、国立高校6校(約1%)、公立高校約190校(約45%)になり、公立校の割合が減り、私立校の占める割合が大きくあがります。

 

私立中学校について

私立学校の特色は以下のようなことがあげられます。

・建学の精神がある
・独自の教育、カリキュラム
・中高一貫教育 ・ 男子校・女子校・共学校の選択
・多彩な行事
・宗教教育、人間教育
・通学区域の自由性
・きめ細かい教育
・充実した施設

などがあげられます。

建学の精神があるということは、とても重要で、その精神に基づいた教育内容が考えられており、それらを行うための学習方法などが独自に構築されているわけです。この建学の精神を見るとその学校の目指すものが見えてきます。

独自の教育方針を持っていることが私立校の大きな魅力です。独自の教育カリキュラムも私立ならではのものがあり、ユニークな教育や、珍しい教育、国際化を意識した教育などを行っている学校が数多くあります。これからの私立校は、教育の独自性をもっと打ち出し、他校との違いを明確にしてくることが考えられます。受験をする側は、興味をもって注目すると良いでしょう。

◆中高一貫教育
3年区切りではなく、6年という長いスパンで組まれている学習カリキュラムは、計画的な指導がおこなれ、中から高へ分断されることなく移行することが優れている点と言えるでしょう。一貫した合理的なカリキュラムは、大学受験を志す上で大変魅力です。また、進級審査などがある学校はあるものの、6年間を通した学校生活で精神的なゆとりを生むことができ、6年間同じ学校で一貫した教育を受けるメリットはとても大きなものだと言えると思います。

◆人間教育
私立校の中には、宗教、聖書、道徳の時間などの時間を設けている学校があります。宗教教育、人間教育など、創立の理念に沿った人間教育を施してくれるのも私立校ならではのことです。

◆ 施設の充実度
私立中学校は、建学の精神や理念のもと、学習プログラムを組んでいることは先述しましたが、その学習にあった施設・設備にも力をいれている学校が多くあります。 しかし、新しさや充実度だけに注目するのではなく、その学校の歴史を感じさせる施設というのも魅力の一つです。

◆ 男女別の学校
男女別の学校があるのも私立中ならではのことです。東京だけでみますと、私立中の内、男子校が約18%(34校)、女子校が約43%(79校)、共学(男女別校含む)が約38%(69校)となっています。 東京都私立中学校全体のの生徒数は約82,000人。男女比率は、男子約36,000人(約40%)、女子約46,000人(約56%)となっており、女子生徒が10,000人も上まわっています。 毎年共学化する学校が増えています。 首都圏全体ですと男子校が約19%、女子校が約38%、共学(男女別校含む)が約43%になっています。

 

 

私立中学校のグループわけ

私立中学校は様々なグループに分けることができます。
代表的なグループを紹介します。

◆大学付属校グループ
◆進学校グループ
◆高校募集をしていない併設中学校グループ
◆宗教校グループ
◆男女グループ

 

◆大学付属校グループとは、私立大学を併設している中学校を指します。
このグループの中でも幾つかのグループに分けることができます。
@ 殆どの生徒が併設大学に進む純大学附属校グループ・・・慶應系列校、早稲田実業、明大付明治、日本女子大附属など

A 高校時の成績などの条件をクリアした生徒が併設大学に進学できる条件付校グループ・・・成城、学習院など

B 併設大学を持ちながら、他大学進学に力を注いでおり、有名大学を受験する生徒が多い外部大学受験校グループ・・・共立、実践女子などがあります。

大学付属校グループは、他の大学の受験を目指しながら、併設大学進学も可能(大学の連携制度にもよる)であり、選択肢の広さや、大学進学の際の保険がきくことが大きなメリットとなり。気持ちの面でも大きく違ってきます。

 

◆進学校グループは、有名大学への進学を目的とする中・高を持つ私立校で、充実した学習カリキュラムが魅力です。

 

◆高校募集をしていない併設中学校グループ
近年、高校での募集を行わない私立学校が増えています。即ち中学校(もしくは小学校)からでしかその私立学校に入学することができません。
麻布、芝、渋谷教育学園渋谷、桜蔭、浅野、栄光学園、フェリス女学院など、進学校グループに属する有名校もこのグループに多く含まれています。

 

◆宗教校グループ
宗教の精神を大事にしている私立中学校を指しています。しかし、信者でなければ入学できないということはなく、実際に信者が占める割合は近年ではとても低くなっています。宗教行事や礼拝の時間などがあるのが特徴です。人間教育に重点を置く学校も多くあります。

 

◆男女別グループ
先述しましたが、東京だけを見ると、男子校が約18%(34校)、女子校が約43%(79校)、共学(男女別校含む)が約38%(69校)あり、その家庭が望みたい男女教育を選べるようになっています。 男子校の校風の中でわが子を育てたい、中高は女子だけの中で成長して欲しい、男女一緒の中で育って欲しいなど、そのような観点からも学校選びを行うことができます。

以上のような分け方以外でも、様々なグループに分けることができ、そのご家庭の教育方針にあった中学校選びが可能です。
“お子さまにあった学校選び”を行うことができるというのが中学受験の最大の特徴です。

ご家庭でよく話し合い、受験の目的意識、わが子の性格、将来像などを考えながら、学校選びを行うことが中学受験ではとても大切です。

※予備知識
・1人の児童が受験する学校数は2〜5校が一般的です。
・学校への通学時間は、私立小学校とはちがい、制限がありません。だからと言って2時間以上かけて6年間通うのはお子さまにとって大変な負担です。遠くても90分程度以内が望ましいのではないでしょうか。
尚、東京都の私立中学校入学者選抜実施要綱は以下の通りです。

・応募資格:平成○○年3月小学校第6学年修了見込みの者
・入学願書受付期間:平成○○年1月20日以降開始して締め切りは各学年任意とする。
・入学選抜期日:平成○○年2月1日以降各学校任意に行う。
・ 選抜方法:1.出身小学校校長の報告書  2.学力検査、面接など
・合格者発表:選抜終了後1週間以内に発表する。

 

入試について

首都圏は1月中旬に埼玉・千葉の入試が始まり、東京・神奈川は2月1日〜となっています。近畿圏は、1月17日が解禁日になっています。
中学受験には“お試し受験”なる言葉があり、第一志望校を受験する前に、本物の入試を経験しておこうと練習受験をする児童が多くいます。
入試の内容については様々ですが、学力試験(ペーパー問題)、面接、報告書、実技(音楽系)、国立中学校では抽選選抜を加えている学校もあります。
麻布、開成、武蔵、聖光学院、栄光学園などの有名進学校は学力試験だけで選抜を行っており、増える傾向にあります。

学力重視の入試化が進んでおり、男女校にもよりますが、面接や報告書は参考程度にしている学校も少なくないようです。 学力試験は、大きく分けると「2科目試験(国語・算数)」、「4科目試験(国語・算数・社会・理科)」、そして「2科目・4科目の選択制」の3タイプに分けることができます。最近は自分の得意な方式を選ぶことができる「2科目・4科目の選択制」を採用する私立中学校が増えてきました。
試験の形態については、毎年小さな変化がありますので、塾に通っている家庭はよいのですが、塾に頼らずに家庭学習だけで受験に臨む家庭は、まめな情報収集が必要です。

 

塾・教室について

塾を大きく分けると3つのタイプにわけることができます。

@ 個別指導型塾
A 地域密着型塾
B 大手塾

それぞれにメリットとデメリットがあります。

@個別指導型塾
そのお子様にあったきめ細かい指導をうけることができます。少人数で行うので、控えめな性格のお子さんでも、質問しやすいというようなメリットがあります。反面、幅広い中学校情報の収集などは弱いと言われています。しかし、最近は情報収集力のある母体を持つ個人指導型塾もあるので、一概に個人指導型塾のデメリットとは言えなくなってきています。

A地域密着型塾
その地域に根付いた中小規模の塾を指します。5〜20、30人の教室で指導を受けることができます。その地域の、仲の良い友人たちと一緒に指導を受けられることをメリットと考える人もいます。 個別指導型塾同様にきめ細かい指導を受けることができます。地元の私立中学校の受験情報は詳細に持っている反面、引越し予定などがあり、遠距離地区の学校を受験する時などは塾を頼らずに自分で情報収集しなければなりません。 地域密着型塾は塾長のカラーが出やすいので、実際に通っている家庭から情報収集しておくと良いでしょう。 尚、地域の補習塾とは学習内容が大きく異なりますのでしっかりと確認してから、望む指導を行ってもらえる塾を選びましょう。

B大手塾
多くの生徒を指導してきた教育方法やカリキュラム、幅広い中学校の情報が得られるのは大手塾です。独自の指導方法があり、入塾説明会などを開いている塾もありますので参加してお子さまのタイプにあった指導方法なのかを確認しておくと安心です。入塾にあたって入塾説明会の有無、体験授業の有無、入塾判断試験の有無、など塾によって様々ですので調べておいた方が良いでしょう。また大手塾ですと、入塾後のことも確認が必要です。例えば、志望校コースの有無、フォロー体制、コースシステム、季節講習、模擬テストなど、それぞれの大手塾で異なっているので、調べておきましょう。大手塾は幅広いコース設定とカリキュラムが魅力ですので、事前に把握しておきましょう。
大手塾の特徴の一つに、生徒が広い地域から集まるので色々なタイプの生徒たちと学ぶことができることがあげられます。競争意識が身につきやすいのも大手塾の特徴の一つです。 反面、授業中に一人ひとりの質問に答えてくれるわけではありませんので、大手塾の指導についていけなくなった時は、家庭での学習フォローや、個別指導型塾と併用しながら学習を進めていく必要があります。 豊富なカリキュラムと、独自の指導方法、情報量が魅力な大手塾です。

この他に、塾ではありませんが、家庭教師も学習を進めていく上で大変効果的です。1対1で学習を進めていきますので、学習進度のよき理解者となってくれる存在です。 大手塾と個人指導型塾や家庭教師を併用して合格を目指すご家庭も多くいます。

 

大まかにわけるとこのようになりますが、一番気をつけなければならないのは、お子さまの性格をよく考え、どのタイプの塾が合っているのかを選ぶことです。塾の長所、短所を見極めて併用するのも良いでしょう。まずは通塾の目的と学習到達度、そして性格をよく考えて検討してください。

一般的に小学4年生では週1、2回の通塾ですが、入試間際になると週5,6回通わなければならなくなり、それだけ家庭の負担が増えるようになります。費用面や、ご両親のお子さまに対する精神面のフォローなど、家族の協力なしでは中学受験を乗り切ることはできません。

 

参考記事: 大手塾、個人塾、個別指導塾とタイプいろいろ   中学受験は学習塾選びから始まる
         (2011.2.4 DIAMOND onlineから)

参考記事: 「集団指導」と「個別指導」の使い分け  (2011.2.16 産経ニュースから)

 

 

 

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