日時:H22年10月9日(土)13:30〜 雨
参加者数:約1,200人
配布物:
学校説明会次第、学校案内、入試関係書類、資料、卒業生の声、毎日新聞の記事、The Musashi Way
内容
■13:30〜13:53
『学校の概要と教育方針』 校長代行 梶取弘昌先生
・山ア校長が体調不良のため退職して、私が代行を務めている。しかし、優秀な教師と事務員がいるので、武蔵の教育には何ら影響はない。
・本校はよく『自由』と言われる。確かに制服はなく、茶髪や携帯を持つことも許している。しかし、これは本校が考える自由ではない。我々の考える自由は、学問について自由ということである。校則はないが社会的規則はあるため、子ども達は当たり前の社会常識を持っている。
・本校は人の痛みがわかり、弱いものを守れる子どもを求めている。
・毎日コツコツと自分の手で書いて、皮膚感覚で感じることが大切。何十年という長いスパンで物事を考えてほしい。
・授業が1番大切だと考えている。小学生の皆さんは小学校の授業と先生を大切にしてほしい。
・武蔵の生徒は自立しているかと聞かれるが、中学1年や2年ではまだ自立していない。しかし、6年間の間にだんだん自立した大人になっていくので、安心してほしい。
・なるべく教師が口出ししないで子ども達を育てようと思っている。なぜなら、転ばないと成長しないからである。
・生徒と教員の垣根は低く、職員室は設けていない。教師に質問する場合は、研究室に行く。ただし、教師は控え室があるので、休み時間に集まって生徒について話し合ったりしている。
・今後の武蔵としては、学びに対する考え方は変わらない。ただ、変わらないために色々と努力している。
・教員も生徒と一緒に成長していきたいという学校である。武蔵の良さをご理解いただき、本校に入学してほしい。
■13:53〜15:05
『各教科主任の話』
●国語(13:53〜14:10) 阿部寿行先生
・教科書は購入するが、授業では教師の手作りのテキストを使用する。
・できるだけ編集されていない本物を読ませ、体感させている。文章そのものから読み取ったり、行間を読んだりしている。
・自ら調べ、自ら考えることを教科教育の中で実践する。調べれば調べるほど何がわからないかがわかってくる。失敗と試行錯誤を繰り返して学んでいってほしい。
・中学1年、2年では1つの作品をじっくりやる。『深く、狭く、じっくり』がスローガンで、詳しく、納得いくまでやる。
・高校2年、3年では20名位ずつに分割して授業を行う。生徒自身が調査、考察を行い、レポート制作をする。
・大学受験に合格することを目標とした授業はしていない。
・図書館が2つあり、中高専用は7万冊、大学図書館は65万冊蔵書があり、どちらも利用できる。
・入試では思考過程、記述の力を見ている。必ず小説の問題を出すという訳ではなく、全てのジャンルから出題する。
・解答用紙は字数制限なしの空欄。正しい日本語で、小学6年生の等身大の言葉で記述してほしい。空欄を全て埋める必要はなく、問われていることにきちんと答えているかが大切。
●数学(14:10〜14:20) 田中洋一先生
・中学3年間は週3時間『代数』の授業を行い、週2時間『幾何』を勉強する。
・演習を重視しており、中学3年では分割授業を行う。
・時間を惜しまずに考え続けることが大切。教わるのではなく、学びとってほしい。
・入試は、式や計算、説明を書くという問題では、思考過程が採点者に伝わるように書くことが大切。途中まで合っていれば、部分点を与える。
・焦燥は学問の敵である。入学試験を目標にせず、わからないことを一つ一つ丹念に考えてほしい。
●社会(14:20〜14:32) 永原健彦先生
・地理や歴史等と科目分けをしていない。社会1と社会2とし、社会1は『日本列島』、社会2は『日本列島を除いた世界』として、週に2時間ずつ授業を行っている。
・中学1年、2年では基礎を学び、中学3年では方法論を活かして研究し、レポートにまとめている。
・入試では、1つのテーマを設定して長めの文章を出題する。直接的な知識を求めているのではなく、よく見てよく読めばできる問題である。
・現在の物事や社会について関心を持ってほしい。
・解答は極力適切に漢字で書いてほしいが、漢字のテストではないので、あまり気にすることはない。ただ、書けるものは漢字で書いてほしい。
・解答欄にたくさん書けばいいということではない。それは、問題の主旨をわかっていないということにもなる。
●理科(14:32〜14:46) 西山正樹先生
・各学年2科目ずつ行い、授業は講義1時間、実験1時間。出来る限り実験をやらせたいと思っている。
・中学1年では箱根山で地学を学んだり、中学3年では天文実習を行ったりする。
〜マグネシウムリボンの燃焼等、壇上で実験を行う〜
・実験は実生活には役に立たないが楽しいと感じてほしい。
・好奇心旺盛で、素直な心を持った子どもに来てほしい。また、失敗を恐れずに試行錯誤してほしい。
・試験に関しては、当たり前のことを当たり前にできるように。また、よく問題文を読んで、じっくりと取り組んでほしい。
・人生を楽しめるような子どもにしたい。目先のことにとらわれずに、武蔵に預けていいと思う方に来てほしい。ただし、保護者が責任を持つこと、それを学校がサポートするという考えが大事。
●体育(14:46〜14:55) 原間裕先生
・生徒を大事にしている。将来、日本を背負って立つため、健康な基礎体力をつけることを目指している。
・社会人になってもスポーツや運動を身近に考える気持ちや心を持ってほしい。
・2007年にグランドを人工芝に換えたため、雨でもサッカーができるようになった。そのため、クラブ活動が活発になり、成績もよくなってきた。
●英語(14:55〜15:05) 関本麻千子先生
・帰国生クラスは特別に設けていない。また、特別なカリキュラム編成もしていない。
・入学時に英語力があるとは前提していないため、入学後ゼロから教える。事前の準備は必要ない。
・中学1年〜高校1年までは基礎力を養い、『聞く・話す・読む・書く』をバランス良く伸ばし、語彙力をつける。
・分割授業は自作のテキストを使用し、全体授業では発展、拡充した授業を行う。
・英会話の授業はない。
・高校3年ではニーズに合わせて授業を選択できる。
・将来、専門的な分野で使えるようになることが目標であり、楽しく、しっかりと英語と向き合ってほしい。
■15:05〜15:25
『学校生活と入試全般について』 教頭代行 大橋義房先生
●学校生活について
・朝のホームルームはなく、8時20分に1時間目の授業がいきなり始まる。また、帰りのホームルームもない。自己管理をしっかりしてほしい。
・1クラス43〜44名の1学年4クラス。組主任(担任)は他のクラスの副主任となり、1学年4人の教師で見守る。
・クラブ活動は活発で、多くの部は中高一緒に活動している。
・学校は社会の縮図である。少しぐらいの失敗はさせた方がよいため、教師は少し距離を取って生徒の成長を見守っている。
・6年間で期待するのは、集中力と自己管理能力を身につけることである。
・家庭の役割が大事だと考えている。教育する権利は家庭にあるため、基本的生活習慣は家庭で身につけてほしい。
●入試全般について
・いい問題を作成するため、1年中問題を練っている。
・受験資格は2011年3月に卒業見込みの者。何か不明な点があれば願書を書く前に事務室に問い合わせてほしい。
・願書提出の際、あまり早くから並ばないでほしい。
・試験日は2月1日、合格発表は2月3日の午前9時。
・筆記試験は4科目で、面接はない。国語と算数は100点満点で試験時間は50分、社会と理科は60点満点で試験時間は40分。教科の足切りはない。
・採点は複数の教師が厳正に行っているが、最低でも読める字で書いてほしい。
・記述式の問題が多いので、文章をよく読んで理解すること。また、脈絡のある文章を自分で書く練習をしてほしい。
・多少は世の中の動きに関心を持ってほしい。新聞を読む等、努力をして得た情報は頭に残る。
・学校が作成している過去問題集には目を通してほしい。
・入学することがゴールではなく、スタートであるということを肝に銘じてほしい。
■15:25〜
『敷地内及び図書館見学』
☆備考
説明会は13時30分から大講堂で行われましたが、14時10分からも中講堂で同じように行われました。
スリッパは必要ありません。
説明会の後に敷地内及び図書館の見学ができます。
ほとんどの方が普段着に近い、比較的軽めな服装でした。
父親の参加も多く、土曜日のせいか子ども連れの方も目立ちました。
大学正門を入った所で、説明会の資料を配布していました。また、教員による講評つきの過去5年分の入試問題集(500円)の販売もありました。
個別質問は、説明会終了後に図書館棟大教室で教科ごとに受け付けていました。
☆所感
講堂では前方より着席するよう指示がありましたが、みなさん割と自由に座っていました。退場は後方と前方の扉より一斉に行われました。
席の幅が狭く、中程の席に座ったら立ちにくいので、トイレ等は座る前に済ませた方がよいと思います。
椅子が硬いため、説明会が終了する頃には疲れてしまいました。そのため、タオルやストールを敷いて座っている方もいました。
説明会開始の1時間前に開場されましたが、開場して10分くらいで真ん中の前方の席は埋まっていました。
学校のホームページでも言っているように、入試説明会ではないので、入試に関する説明はほとんどありませんでした。ただ、学校紹介という割には生徒の様子などが語られず、学校の雰囲気等はよくわかりませんでした。
各科主任の先生が交代で教科の説明をする等、先生は変わりますが全体的に単調で、2時間もすると参加している子ども達は飽きているようでした。ただ、理科の先生は小学生を壇上にあげ、実験の手伝いをやらせたり、「サービスでもう1つ」と言ったりして笑いを誘い、会場を和やかにしていました。
校則がなく、基本的生活習慣を教育するのは家庭であるとはっきり言っていたので、しっかり親が教育しなくてはいけないと思いました。
|