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   洛星中学校・高等学校 インタビュー 


  洛星中学校・高等学校 インタビュー 

 

 


阿南 孝也 中学校・高等学校校長先生

 

京都市にあります学校法人 ヴィアトール学園「洛星中学校 洛星高等学校」の阿南孝也校長先生にお話を伺って参りましたので、ご紹介いたします。洛星中学校・高等学校は中高一貫の男子校で、京都大学への合格者を多数輩出している関西有数の進学校です。

取材:2013.4.18

 

 学校法人ヴィアトール学園のミッションステートメント(抜粋)  

 

ヴィアトール学園は、カトリック精神に基づく全人教育を実施することを使命とし、全ての人間を「神に愛された存在」として尊重し愛をもって接することの出来る力が備わった人材を育てることにあることを共通の認識をしているものである。

生徒は、自分自身を「神に愛された存在」と自覚し、あらゆる面で最大限の自己実現を達成するため、人格を磨き、知力と体力を鍛錬すると同時に豊かな情操と社会性を身に付けて、全文の共通認識を実現する心と力を涵養することを使命とする。

教職員は、最善の努力を傾けて、自らが前文の共通認識を具現するよう努めるとともに、生徒一人一人を「神に愛された存在」として慈しみ、自己実現の達成のため生徒を教え導き、その人生が実り多いものであるよう助力する事を使命とする。

 


学校法人ヴィアトール学園 本館 中央棟

 

洛星中学校・高等学校 ホームページ

 

 

 インタビュー 

 

◇入学試験はどのように作成しているのですか?

「入学試験問題は、算数科の先生全員で作成します。ですから、毎年毎年新しい良い問題を考えなくてはならないわけで、問題のアイデア探しの毎日です。街を歩いていても、美しい風景を見ても、これで何か新しい問題が作成できないかなぁと考えてしまいますね。例えば、梅田のあのムービングウオーク(動く歩道)はおもしろいですね。ムービングウオークを使う人とその隣の通路を歩く人の速さはどうなっているのか、追いつくのか、無理なのか等を考えてしまいますよ。楽しいですね。折り紙等にも興味があります。ただ、出題は小学生の学習範囲に限られていますから、なかなか難しいのです。でも、入試問題を作成する点のアイデア探しにとどまらず、?(ハテナ)を考えることは、在校生のためにも役立つことなので、そんな日々を楽しんでいます。」

 

◇入学試験方法について教えてください。

「本校の学科テストは4教科型試験と3教科型試験のいずれか一方の型を選択します。私は、3教科型か4教科型のどちらかと言われたら、4教科型試験をお勧めしています。と言うのは、4教科まんべんなく得点を伸ばす方が合格に近いと思うからです。得意科目で高得点をとって、他の教科をカバーするという方法もあります。得意科目があるという事は、勉強の面白さを知っているという事なので、今は得意でない教科があってもこれから伸びていく可能性は十分あると思います。」

 

◇今年の入試問題は、比の問題が非常に多かったように思うのですが、この傾向は来年も続くのでしょうか?

「今年度は、たまたま「比」の問題が多かったです。あとは「図形」ですね。私は、小学校の算数の中で、時に需要なものは「図形」と「比」だと考えているんです。あとは「考えましょう」ということで、ルールを見抜く力が必要だと思います。先ほどの「比」の問題ですが、「比」の問題だと気がつけば解けます。問題は「比」の問題だと気づくかどうかです。 入試問題の文章題はややこしく書いてありますが、その意味を読み取り、「比」で解けば簡単だと気づけば解くことができるのですが、それに気づくには文章題を読み解く「読解力」が必要です。教科としては、「算数」ですが「読解力」が必要になってくるわけです。そして、「読解力」は幼児からの家庭でも取り組みの積み重ねだと思います。子どもに話しかける、子どもの話を聞く、そして「読み聞かせ」の積み重ねです。こういう力が総合して、中学入試に挑戦する力が付くのだと思います。」

 

◇どのようなお子さんに、洛星中学校に入学してほしいですか?

「いろいろな事にチャレンジするお子さんに入学してほしいですね。チャンレンジする気持ちが大切です。本校では、学業以外の所でも、一人一人の居場所があるようにクラブや行事をたくさん用意していますが、そのチャレンジする気持ちがあれば気持ちがあれば、この学校で得るものが多いと思います。何事にも関心をもって、思索するお子さんに入学してほしいですね。」
「中学入試の準備は大変だと思います。しんどいと思います。どこまで頑張れるか。そのためには、志望校に入学したいという強い気持ちをもっていることが大切です。本校の新入生に志願理由を聞いてみると、文化祭を見て、あるいはクリスマスタブローを見て志願したいと思ったと答える生徒が多いです。という事は、やはり本人の気持ちが大切だという事ですね。」

 

◇洛星中・高校の特徴を教えてください。

「学校ですから授業中心であることは当然ですが、授業以外の所でも一人ひとりの居場所を見つけられるように願っています。そのためにたくさんのクラブがあるのですが、さまざまなクラブがあることも、本校の特徴の一つでしょう。そして、学業全般に力を発揮するわけではないが、得意教科をもっている者やクラブや学校行事で力を発揮する者を認めあう生徒が多いことも本校の特徴の一つだと思います。出来ないところを見るのではなく、出来るところを認めあう生徒が多いですね。相手を容認するという事でしょう。ですから、いじめもないと思いますよ。そのほかにも、高校生になっても手を上げて質問・発表する生徒が多いことも特徴の一つですね。それは、講演会等においてもそうなのです。小さくまとまるのではなく、探究心が豊かであることの現れだと思います。本校から京都大学に進む生徒が多いのですが、京都大学に進むことが目的ではなくスタートであり、そのあとさらに花開く生徒が多いのは、探究心と自分との違いを容認する精神が本校で創られたからではないかと考えています。」

「中高一貫校だという事も特徴の一つだと思います。クリスマスタブロー等も中高でいっしょに運営していくのですが、高校生のすることを中学生が見て学んで行きます。また、本校のオーケストラ部は大変活躍していますが、中学に入学してから初めて触れる楽器であろうとも、高校の先輩の指導により短期期間で上達しますし、高校の先輩の姿を見ることは励みになっているようです。目標が身近にあることは良いことだと思います。

そして、生徒の将来を考えると、人と人との関係を作り上げていく能力は絶対に必要だと思います。社会のリーダーになろうとする人には、欠くことの出来ない能力です。その能力を育てるには、皆で作り上げていく喜びを知っている事、そして、そのための苦労を経験していることで伸びていくと思います。その経験は、クラスの中の調和であったり、生徒が主催する「クリスマスタブロー」を成功させる等の経験をすることがその子の財産になると思います。さまざまな機会を通して、本当の意味の責任感をつけて行っているようです。先輩の姿を見て育ったのですね。私は、生徒達が真っ白なキャンパスを持って入学して来て、本校での6年間でどんな絵を描くのかをとても楽しみにしています。」

「中学3年生で「赤ちゃん講座」を開いています。毎年7月頃に近所にあります「児童館」の生後2〜3か月の赤ちゃんから2歳くらいの幼児さんに学校に来ていただくのです。小さい赤ちゃんを抱っこさせてもらったり、お母さま方に子育てのご苦労を話していただいています。赤ちゃんを初めて抱く生徒もたくさんいます。見ているこちらが、そんな抱き方をしたら泣いてしまう・・・と心配する時もありますが、生徒は楽しかったらしく、夏休みに「児童館」を訪ねる行事があるのですが、たくさんの生徒が参加します。とってもいい顔で、赤ちゃんたちに接しているんですよ。可愛い生徒達です。自分のご両親にも感謝しているんだと思います。」

 

以上です。阿南孝也校長先生、ありがとうございました。

 

 

サン・ピエトロ大聖堂壁面レリーフ
高さ10m幅8mの大理石に、ローマ・カトリック教会教皇庁の主聖堂「サン・ピエトロ大聖堂」が彫刻されています。
左側に教室が続いています。 一般的な教室65uよりも広くした75uの大きな教室です。
図書館
一般書41,000冊、文庫・新書14,000冊、大型本3,300冊、雑誌架44誌の開架書庫と、 閉架書庫があります。コンピューターを利用した情報検索設備の完備しています。
夏休みの宿題「お弁当作り」が掲示してありました。阿南校長先生が審査員だそうです。 金賞、銀賞を受賞したお弁当を食べてみたいです。
カリヨン
教会に見られる楽器の1つで、校章をイメージしたもので高さは4mあり25曲を演奏することができます。
SKY RECEPTOR  ―衣笠―
校章をイメージした噴水です。
食堂
食べ盛りの少年たちの食欲を満たすには、てんてこ舞いになるのでしょうね。
グランド 
13,000uの広さをもち、体育の授業やクラブ活動だけでなく、 夜間に少年野球や少年サッカー用にも開放しています。

 

取材協力: けいkids+

  

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